「貴方とはもう恋人同士ではなくて、子育てをする同士・パートナーです。」
この言葉を聞いて、あなたはどう受け取るだろうか。
既婚・未婚・男性・女性、それぞれの視点、考え方があると思います。
筆者の知人が奥様から不意に投げかけられた言葉で、知人は心の整理がつかなかったそうです。
女性は出産すると「母親」になる。
当たりまえの事だが、出産できるのは女性だけであり、母と子の繋がりは男である筆者の想像にも及ばないものなんだと思います。
父親が何をしても泣き止まなくても、母親の姿が見えただけで泣き止む。なんて事は日常茶飯事。
女性の役割りは、出産と同時に「母親」になる。これはどうしようもない事だ。
そして「母親」になった「女性」の第一優先は、今まで好き合っていたパートナーではなく、産まれてきた「子供」になる。
「母親」になった時点で、「パートナー」「男性」に求めるものが大きく変わっていくのだと、筆者は考えている。
これは、あまり深く考えたくない事ではあったし、どうしようもない事だとも思っていた事だが、今回の執筆にあたり、避けて通れない事案になったと思う。
結婚する事の意味。
今の日本は自由恋愛から婚姻に至るケースが大多数であると思うが。
その結果、愛の結晶である「子供」が産まれたとたんに、恋愛感情が消え去り、子育てをするパートナーという関係性になる事を、どう受け止めたら良いものか。
子供を授かって、子孫を後世に遺していく事が最重要課題なのであれば、恋愛というプロセスは不要であり、昔しのように、親の決めた相手と結婚するとか、お見合いとかの方がよほど効率的であろう。
そもそも、ただ子孫を残す事が目的なのであれば、結婚という「儀式」そのものも不要だろう。
ただ、「父親・母親」が誰だか分からない、子育てをする上での法律的な問題、金銭的な問題、倫理的な問題。社会的な生活を送る現代人にとって、結婚しないで子供を授かるというのは、いわゆる「本道」とは外れているとされていると思う為、多少の困難があるだろう。
自分の遺伝子を引き継いだ「子供」が、この世界で不自由なく生きていく為には、結婚というプロセスを経た方が安心だと言えるだろう。
男性はどう変わる?
これは既婚の筆者の感覚であるが、「父親」になったが、「男」を辞めた覚えはない。
この「父親」というのも、男からすれば、相当な変化を持ったつもりではいるが、世間一般の「母親」からすれば、「父親としての職務を十分にまっとうしていない」というが、通説的な評価だろう。
でもこれはしかたがない事でもあると、女性には理解して欲しい。
「子供」が産まれる事に対して、「感動」もするし、「覚悟」も変わります、「生活」を変えようという気持ちも持てます。
ですが、決定的に「女性」とは違う事があるんです。
妊娠や出産といった「経験」をする事が出来ないという事がそうだと思います。
良い言い方では無いかも知れませんが、「子供ができた」という「事実」が存在するだけで、自分自身の体には何の変化も起きないのです。
体に変化が起きない、「男」から「父親」に切り替わるきっかけに乏しいというのが正直な所なんだと筆者は考えています。
男性は「変わった」と言いつつも、本質的な部分では「あまり変わっていない」というのが本当の所なんだと思っています。
男性の方が、結婚しても恋人同士の感覚でいたい?
結婚前から関係性が破綻していない限り、男性はパートナーに対して、恋人のような感覚を持ち続ける傾向にあるのではないかと、筆者は考えています。
「別れる時、男性の方が未練ったらしい」
という事は良く聞く事だと思います。
女性の方が「思考の切り替えが早い」とも言い換えられると思います。
妊娠・出産というイベントを機に、女性はすんなり「母親」になる事ができるが、男性はこれらの理由や、上記要因から、いつまでたっても「父親」にはなれず、「男」のままなのだと考えます。
結婚前から、彼女への気持ちが強い男性ほど、その傾向が強いのではないかと筆者は思っています。
女性の本心は?
これは男である「筆者」の想像の域をでませんが、ある程度子育て序盤を終えた段階で、「妻」の言動から推測してみました。
冒頭のフレーズが出た知人と奥様にとっては、今回が初めての子育て。
子育て一年生と言って良い時期の夫婦です。
子育てが始まった頃を思い出すと、妻には以下の変化がありました。
余裕がない。
産まれたばかりの「赤ちゃん」の世話。
マニュアル通りにいくことはあり得ません、誰かにおいそれと変わってもらえるものでもありません。女性にしかできない「役割り」が各自にあります。
自分しかできない役割を、自分ひとりでこなすのです。
周囲に気を配ったり、誰かの事に気を向ける余裕などあるはずがありません。
イライラ
とにかくちょっとした事でイライラしていたように思います。
それはそうですよね、毎日ちゃんと寝れないのに、昼間は家の仕事をしなくちゃいけないんですから。
寝不足で仕事しろって言われたら、誰だってイライラしますよね。
この頃が夫婦間で一番喧嘩が多かったように思います。
結局のところ
妊娠・出産という人生最大のイベントを経た女性は、心身ともに、男性には想像もつかないストレスを受ける事でしょう。
その結果、余裕が無くなったり、イライラしたりする事なんて、むしろ正常な反応であると言えます。
そして、子育て一年生の「母親」になったばかりの「女性」に、今までのような思考や、反応を求めるのは不可能な事だと筆者は思っています。
それは、パートナーである男性が十分に理解しなければいけない事なのだと思います。
言葉の真意
知人夫婦が今後どうなっていくのか、それはその夫婦のみが知る事でしょう。
ちなみに、筆者も同じような事を妻に言われた覚えがあります。
「貴方の事は愛している、けれどそれは家族愛というものであって、今までの様な感情ではない。」
知人同様に、その時は筆者も相当なダメージを受けました。
「振られた」時と同じような感覚でした。
多分、その時の妻は、そんなつもりで言ったのでは無いのだろうと思っています。
何故なら、先の述べたように、ストレス化に置かれた状態での発言だからです。
ニュアンス的には本当の事を言っているのも理解しているので否定もしませんが、通常の精神状態であれば、言わなくても良いセリフであったのではないかと思います。
それでもそのフレーズを言ってしまった「女性」の「真意」があるのだと筆者は考えます。
SOS!
知人の奥様が発した言葉は、ほぼ「SOS」なんだと思いました。
「子育てするパートナー」
パートナーを欲している状態という風に捉える事はできないだろうか。
昼間、お子さんと1対1で向かい合って、全てのストレスを一人で請け負っているのです。それを誰かに分かって欲しい、助けて欲しい、そう思うのは当然の事でしょう。
「恋人同士ではない」
という事は、「男性」に対して、今までとは違うんだよ、「父親として頑張ってね」というメッセージが込められているのではないだろうか。
男性ができる事。
言葉の意味をそのまま受け取ってしまうと、あの時の筆者のように「振られた」ような感覚になり、落ち込んでしまうかもしれません。
ですが、本当は落ち込んでる場合ではなく、「女性」「パートナー」に寄り添って、今まで以上に助けてあげなければいけないのです。
「男」として「父親」として、一人の女性と、「家族」を支えていけるよう、自分がしてあげられる事を粛々と頑張るのみだと思います。
今回の知人の例で言えば、もしかしたらもっと家事に参加して欲しいのかもしれないですし、子供の面倒を見て欲しいのかも知れません。趣味活動を減らして欲しいのかも知れません。
それはその夫婦それぞれで違うでしょうけれども。
本音は昔みたいに、奥さんではなく、「彼女」になってかまって欲しいっていうのも、逆に「奥様方」には分かって欲しいですけどね。
「男」なんていつまでたっても、意外と「女性」よりイチャコキたい生き物ですよ。
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